私たち髙橋テックは、銀ロウを使用した「ろう付け」により銅・真鍮の油圧配管を製作しています。
ろう付けとは、つなぎ合わせる母材よりも融点の低い合金を溶かして接着剤として用いることで、母材を溶かすことなく複数の部材を接合させる技術です。
導電性・熱伝導性が高い銅を母材とするろう付けは非常に困難とされていますが、全感覚を研ぎ澄ました職人が「銅」「銀ロウ」「バーナーの炎」と呼吸を合わせ、一瞬のタイミングを逃さず丁寧に手付けし、一本一本美しく仕上げます。
私たちの情熱は、ろう付けの工程だけに注がれているわけではありません。
成型・洗浄・検品・磨き・梱包・配送まで全ての工程に渡り、より良い製品をお届けるための努力を重ねています。
また、当社が製造した油圧配管を用いた製品がEUへ輸出されることを念頭に、材料は全てRoHS対応のものを自社で調達し、使用しています。
銅パイプの切断は手作業にて行います。
1ミリ単位で加工可能です。
銅パイプは特注品で、径の公差があまりないものを使用しています。
その後、エアブローにて銅パイプの内側に残っているバリを吹き飛ばします。
市販されている量産規格のφ5の銅パイプは公差がありすぎ、継手の穴に対してプラス公差だと成形時に銅パイプに歪み・削れが発生、マイナス公差だと緩すぎて長さが変わってしまいます。
そこで、銅パイプは特注品を使用し、継手も製作を委託している協力会社に細かく指示やお願いを重ねて、銅パイプとしっくり噛み合う大きさの穴を空けてもらっています。
このため接続部には、ろう付けをする前から隙間が出来ません。
継手とパイプを強固に繋ぎ、かつパイプ周りを隙間なく銀ロウで埋めるろう付けは、本工程で最重要・最難関です。
まずは、銅パイプの径に合う火をアセチレンガスで作ることが大切です。
銀ロウを溶かし綺麗にろう付けするには、銅パイプと継手をある程度同等の温度にしなくてはなりません。
銅パイプの融点、継手の温度、フラックスの溶け具合など全てがかみ合うタイミングで、適切な量の銀ロウを流し込むことが肝要です。
銀ロウを流し込むベストな猶予時間は2~3秒くらいしかなく、これを会得するのにかなりの時間・経験を要します。
高温でろう付けを行った後、表面の汚れを洗浄します。
洗浄には洗浄液の希釈率や温度の管理が大切です。
汚れやススを確実に落とすには、どのくらいの希釈率で何度の洗浄液に、どれくらいの時間浸けるのかが問われます。
継手や銅パイプを、主に不織布を使って磨きます。
全ての確認を終えたのち、摩耗しないように同じ向きにて、厚手のビニールで梱包します。
箱の底には緩衝材を敷き、製品に傷が付かないよう細心の注意を払って配送します。